ダイエットにおいて切ってもきれないのが「体重」「体脂肪」というワードです。特に今現在ダイエットをしている人はメディアなどを通じて「ダイエットにおいては体重よりも体脂肪率が重要である」というようなことを見聞きされた経験がある方もいるかも知れません。
実際どうなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
理由その①:見た目に大きく影響する
実はダイエットにおいて体脂肪率が重要であるということはよく知られた事実ではあるのです。しかし近年ではそれが「体重よりも重要」とまでにより一層強調されるようになったのは理由があります。
今回はダイエットにおける体脂肪率の重要性、その理由などについて紹介をしていきたいと思います。
ダイエットの目的の本質は「見た目」
ダイエットをする目的として良く語られる理由として「体重減らしたい」「痩せたい」「健康のため」と様々な理由が挙げられますが、その理由を深く掘り下げていくと最も多い回答となるのが「見た目を良くしたい」「見た目を美しくしたい」という答えになることが非常に多いです。
こういった見た目(外見)の変化を重視してうく上ではもちろん体重の変化も重要なのですが、それよりもむしろ「体脂肪率」による影響が大きくなってきます。
見た目のダイエットを成功させる上で重要な「体脂肪率」と「筋肉」の関係
これは何故かと言うと、端的に筋肉と脂肪とではそれぞれの質量が異なるためです。これは密度の関係と言えばわかりやすいでしょうか。
例えば同じ重さの「筋肉組織」と「脂肪組織」を比較した場合、より体積(容量=見た目の大きさ)が大きくなるのは後者の脂肪組織となります。これは筋肉組織の密度の高さに比べ、脂肪組織は比較的密度が低いためです。
要するに、同じ体重の人であっても筋肉量が多い人は体積が小さく=痩せているように見え、体脂肪が多い人は体積が大きく=太っているように見えてしまうのです。仮に体重が同じであっても、片方は太って見えて、片方はスリムに見える、という事象が発生するため、体重よりも体脂肪率を重視し筋肉を付けていったほうが効率よくダイエットができる、ということになります。
こうしたことから現在ではダイエットにおいては体重よりも体脂肪率の方が重要であると見なされるようになっているのです。
体脂肪率の計測⇒実は難しい
しかし、この体脂肪率を重視するダイエットには一つだけ難点が存在します。それは体脂肪率を正確に計測するのが意外と難しいという点です。体脂肪率を正確に測定したいと思う場合、専用の体組織計を用いる必要があります。
現在は体脂肪が測定できる体重計などが比較的安価に売られたりしていますが、そういった体組織計で測定できるのは身体の一部のみで全身の体脂肪率に関して正確な測定をするのは難しい場合がほとんどです。
また、時間帯や食後・運動後・水分量などによって計測値がバラけてしまうこともよくあります。
そのため体脂肪率に着目したダイエットにおいては、家庭用の体組織計で一喜一憂するのではなく、できるだけきちんとした計測ができる体組織計を購入するか、もしくはダイエットジムでの測定を行ったり、パーソナルトレーナーなどの専門家に指導を依頼するのが良いでしょう。
理由その②:体重を落としすぎ=筋肉量の減少につながる
体重を重視したダイエットの場合は、体重計の数値に固執するあまり「筋肉量が必要以上に減少してしまう」場合があります。体重が減少しているにもかかわらず体脂肪率には変化がないという場合などはこの可能性が高いです。
このダイエット方法(筋肉量の減少による体重の低下)には、さまざまな問題点が存在します。
筋肉量の現象による代謝の低下
第一に挙げられるのが、基礎代謝(代謝機能)の低下です。筋肉は脂肪と比較して熱を発散させる作用があるのですが、筋肉量が減少してしまうということはこの熱(カロリー)の消費量が減ってしまうということを意味します。
短期的には体重を落とすことができたとしても、長期的に考えた場合に「痩せにくい体質」の原因となってしまい、太りやすい身体になってしまうのです。
疲れやすくなったり関節を痛めやすくなる
筋肉は日常生活に欠かすことのできないものであり、どのような動作を行うにしても筋肉が必要になります。重いものを持ち上げる時や急ぎの用事で走ったりする時はもちろんですが、良い姿勢を維持したり、歩いたり階段を登ったりといった日常動作一つとっても筋肉は重要な働きを持ちます。
筋力が低下するとこうした姿勢維持であっても支えづらくなり、腰や関節などに負担をかけたり、首に負担がかかり頚椎を痛めたり肩こりの原因になったりすることがあります。また、筋肉が少なくなると関節の柔軟性も失われ身体自体が固くなり怪我をしやすくなる可能性もあります。
健康的で太りにくく痩せやすい身体には筋肉が重要
こうした理由から、健康を維持しつつ太りにくく痩せやすい体質を手に入れるためには、体重自体は若干増加しても筋肉量を増大させたほうが良いというのが一般的に言われています。そのため現在のダイエット理論では体重を落とすよりもまず運動(有酸素運動と無酸素運動)をバランス良く行い、筋肉のついた痩せやすい体質を手に入れることを重視しているのです。
また筋肉量を増大させるための方法としては鳥の胸肉などの良質なタンパク質を積極的に摂取するという方法もあります。パーソナルトレーニングではこういった食事管理と運動とを組み合わせ、ただ単に痩せるだけではなく体質自体をより健康的に改善していくことを目的としております。
体脂肪率の落とし過ぎにも問題はある
ここまで見てきたように、ダイエットにおいては体重を落とすよりも、体脂肪率を落としていくことを優先させたほうがよい、というのが定説となっています。ただし、体脂肪率を落としすぎも危険なのでその点について見ていきましょう。
体脂肪の本来の役割 〜 体温維持と免疫力
そもそもなぜ人体に脂肪が存在するのかと言えば、第一には体温を一定に保つという目的があるためです。体脂肪に保温作用があり、体脂肪率が低下をしてしまうと気温が低くなると同時に体温も下がってしまうという状態になり、結果として基礎体温が低下をします。
基礎体温の低下によって引き起こされるのが免疫力の低下です。免疫力は体温が高いほど高い状態となっており、体温の低下に伴って免疫力が低下をすると病原菌に感染しやすい体質になってしまいます。
一定程度の体脂肪はあって当然と考えよう
こうしたことから体脂肪率に関してもそれを無理に落とそうとすると身体にとっては少なからず負担が生じ「見た目のために健康を犠牲にする」というような状態になってしまいかねないのです。
筋肉量を効率的に増やしつつ、一定程度の体脂肪はあって当然と考えましょう。そうすれば、風邪をひきにくく健康的な身体が手に入る近道になります。
こういった事態を回避するためにも、ダイエットは自己流や独断で行うのもいいですが、一度プロのパーソナルトレーナーやジムのトレーナーにプロフェッショナルな指導を受けるのも近道です。健康的でよりよい身体で楽しい人生を送りましょう!